日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
第6回日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集/第14回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
セッションID: O_IV_
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O_IV_ 連携
仙台市における中途視覚障害者リハビリテーション支援システム 第3報
交流会による支援の試み
*阿部 直子齋藤 栄樹佐藤 幸子浅野 真晴秋保 明内田 まり子山縣 浩
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抄録

【背景】
 援助者が、類似する課題をもつケース同士の相互援助システムを形成し活用することは、個別ケースへの多様な援助を行う上で重要である。今回は仙台市の地域リハビリテーションモデル事業の一環として行ってきた中途視覚障害者交流会(以下、交流会)の取り組みを報告し、チームアプローチと社会資源の活用が交流会に与える効果について考察する。
【経過】
 交流会の準備段階(平成14年9月)より、当事者団体や障害者更生相談所をはじめとする地域の関係機関・関連職種等から構成される検討チームを組織し、実施内容の検討を重ねてきた。
 交流会の対象は市内に居住する中途視覚障害者とその家族である。平成14年12月に初めて開催し、以来、約2ヶ月に1度の頻度で開放的グループ活動として開催してきた。平成17年6月までに実施した交流会の参加人数は、本人8-22人(平均13.6人)、家族2-11人(平均6.7人)である。
 各回のプログラムは話し合いの活動と外出の活動に大別される。このうち話し合いの活動では、1)参加者同士の話し合い、2)支援機関からの情報提供、3)参加者同士の自由歓談、4)支援機関担当者による個別相談、を交流会に期待される機能として仮説的に設定するとともに、参加者の多様なニーズに応じるため、日常生活用具業者や視覚障害者スポーツ同好会の会員等にも協力を依頼した。
【結果】
 参加者は、1)参加者同士の話し合いや3)自由歓談の時間に、中途視覚障害者としての生活の知恵や発想の転換の過程などを語り合う様子がみられた。また、2)支援機関からの情報提供や4)支援機関担当者による個別相談の機会を活用して、各自が直面している課題について相談していた。
【考察】
 交流会を「ケース同士の出会いの場」として位置づけるだけでなく、チームアプローチと社会資源の活用を踏まえて「ケースと援助者との出会いの場」として機能させることは、参加者がもつ多様なニーズに適切かつ迅速に応じる上で有効と考えられる。

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© 2005 日本ロービジョン学会
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