日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
第6回日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集/第14回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
セッションID: O_IV_
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O_IV_ 連携
仙台市における中途視覚障害者リハビリテーション支援システム
行政の取り組み
*佐藤 幸子浅野 真晴秋保 明内田 まり子阿部 直子志賀 信夫千葉 文児山縣 浩
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抄録

はじめに
 中途視覚障害者に対する支援体制を充実させるためには、地域全体を視野に入れた行政による総合的な施策の企画・実施が求められる。仙台市では平成13年度より中途視覚障害者を対象にしたリハビリテーション支援システムの構築を目的としたモデル事業を実施してきた。今回はその経過を提示し、地域を基盤とした支援システムの構築のあり方について検討する。
経過
(1)平成13年度:中途障害者に対する地域リハビリテーションシステムの検討の過程で、従来の体制では対応が不十分であった「感覚障害」のうちの視覚障害に焦点を当て、モデル事業として取り組むことになった。はじめに障害者生活支援センターを拠点に相談事業を開始した。次いで、日本盲導犬協会仙台訓練センターを地域の社会資源と位置づけ、生活訓練事業を開始した。
(2)14年度:相談事業の拠点である障害者生活支援センターにおいて新たに交流会事業を行うことにした。
(3)15年度:相談事業、生活訓練事業、交流会事業を前年度に引き続いて実施した。
(4)16年度:モデル事業を一般施策化するにあたり、地域における既存のシステムやサービスの現状及び課題を把握するための調査を実施した。その結果、「医療の時期から生活の再構築に至る時期までの総合的・包括的な相談・支援システムの構築」と、「中途視覚障害者に特化した相談・支援をはじめとするリハビリテーションサービスを担う運営団体の設立」が必要であることがうかがわれた。
(5)現況:官民協働で新たな運営団体を設立し、中途視覚障害者に特化した相談支援(個別相談・支援、関係機関・施設支援、交流会事業等)を行うとともに、地域での受け皿作り(研修会、自主グループの育成、ボランティアの養成等)の実施に向けて引き続き取り組んでいるところである。
考察
 中途視覚障害者の地域生活を支えるためには、個別援助の基盤となる地域全体のシステムの整備を行うことが重要である。その際、官民協働で問題を解決し、新たな取組みを試行していく姿勢が重要である。

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© 2005 日本ロービジョン学会
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