日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
第6回日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集/第14回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
セッションID: P_II_
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ポスターセッション_II_
PDF文書のアクセシビリティ
Adobe Acrobat 7.0によるアクセシブルなPDF文書の作成
*山口 俊光渡辺 哲也
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抄録
PDF(Portable Document Format)はAdobe社が提唱する電子文書フォーマットの一つである。インターネット上で流通する文書の一形式として広く利用されている。一般企業での利用に加えて,政府・自治体が提供する公的な文書でもPDFが使用されることが増えている。これらPDF文書はWeb上で公開・提供されることが多いため,Webアクセシビリティの問題の一部であるともいえる.米国でリハビリテーション法508条が施行されたことを受け,Adobe社が提供するPDF文書作成・編集ツールAdobe Acrobat 7.0では,PDF文書を視覚障害者が利用しやすいものにする機能が強化された。これらの機能は日本語版でも利用可能となっている。そこで,本稿では2年前に報告したアクセシブルなPDF文書の作成方法を改めて調査し,報告することとした。アクセシブルなPDF文書を作成する際の留意点について,以下に挙げる2つの段階に沿って解説する。「スクリーンリーダを使用して閲覧可能なPDF文書を作成すること」これはPDF文書のアクセシビリティに関する解説である。紙媒体で存在する文書をPDF化する場合や,画像を含んだ文書をPDF化する場合,スクリーンリーダで文書の一部または全体が読み上げ不能となる場合がある。それに対処するためには,電子化された原稿の準備と画像に対する代替テキストの付与が必要となる。これはアクセシブルなWebコンテンツを作成する際の配慮と共通する。「スクリーンリーダを使用して閲覧しやすいPDF文書を作成すること」これはPDF文書のユーザビリティに関する解説である。文書中の文字情報がすべて読み上げ可能で,画像に適切な代替テキストが付与されている場合でも,文書が持つ構造に関する情報がPDF文書に含まれていないと,文書の読み上げ順序が不適当になる場合がある。この問題は表組みや段組み,数式などが文書中で使用されている際に発生する。
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© 2005 日本ロービジョン学会
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