2006 年 27 巻 4 号 p. 285-288
低出力レーザーの臨床応用は,当初,帯状疱疹等の疼痛治療に用いられていた.その後,アトピー性皮膚炎のかゆみや,皮膚潰瘍等にも使用されるようになった.本稿では,かゆみを訴える代表的疾患であるアトピー性皮膚炎と帯状疱疹の痛みに対する低出力レーザー治療を中心に記載した.臨床の場では,低出力レーザーは単独で用いられることは少なく,各疾患の一般的な治療に加えて用いられることが多い.低出力レーザーは,さしたる副作用もなく,疼痛軽減のみならず,止痒効果,抗潰瘍作用もあり,補助療法としての利用価値は大きい.