日本レーザー医学会誌
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原著
コンジローマ合併子宮頸部上皮内癌に対し光線力学療法(PDT)が著効した1例
三宅 清彦吉田 賢治岡本 三四郎秋谷 司中野 真坂本 優天神 美夫西村 隆一郎田中 忠夫
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2009 年 30 巻 1 号 p. 26-29

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抄録
HPVは,そのDNAタイプにより,子宮頸部にコンジローマのような良性病変や,子宮頸癌のような悪性病変を引き起こすことが知られている.コンジローマの治療法は内科的治療・外科的治療であるが,光線力学療法(PDT)による治療効果については現在のところ明らかではない.今回,コンジローマ合併子宮頸部上皮内癌に対しPDTが著効した1例を経験したので報告する.34歳,子宮頸部病変にて精査・加療目的に受診.同部位にコンジローマおよび上皮内癌を認めコンジローマ合併上皮内癌と診断.HPVジェノタイピング(アンプリコア・リニアアレイ法®)にて6型と16型の重複感染を認めた.家族および本人から十分なインフォームドコンセントを得てPDTを施行した.
治療6ヶ月後,組織診・HPV含め異常所見は消失した.本症例は,高リスクと低リスクHPVが子宮頸部に同時に感染したため,同部位にコンジローマおよび上皮内癌が生じたものと考えられた.PDTはコンジローマ合併症例に対しても有効な治療法であることが示唆された.
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© 2009 特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
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