日本レーザー医学会誌
Online ISSN : 1881-1639
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特集「産婦人科領域レーザー診療の現状と将来」
子宮頸部初期癌ならびに異形成に対する光線力学療法の現状と展望
坂本 優嘉屋 隆介三宅 清彦小屋松 安子茂木 真秋谷 司落合 和徳粟津 邦男田中 忠夫岡本 愛光
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2012 年 33 巻 2 号 p. 117-121

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抄録

光線力学療法(photodynamic therapy:PDT)は,腫瘍親和性光感受性物質と低出力レーザー照射との併用で,ポルフィリン関連化合物が有する腫瘍組織・新生血管への特異的な集積性と光の励起により発生する一重項酸素の強い細胞破壊効果を利用した治療法であり,正常組織への障害を最小限にし,主として腫瘍組織を治療する腫瘍特異的治療法である.日本では現在,早期肺癌(一部の進行・再発肺癌を含む),表在型食道癌,表在型早期胃癌,子宮頸部異形成及び子宮頸部初期癌が治療適応となっている.婦人科領域では,使用薬剤としてポルフィマーナトリウム(フォトフリン)が,レーザー装置としてエキシマダイレーザー, YAG-OPO レーザーが認可されている.本稿では,子宮頸部初期癌ならびに異形成に対する光線力学療法(PDT)の現状と展望,海外におけるPDT の動向,ならびに国内における第2 世代PDT の開発状況について述べる.

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© 2012 特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
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