レーザースペックル法は,本邦発の眼底循環測定法で,視神経乳頭や網脈絡膜の血流を非侵襲的に測定でき,レーザースペックルフローグラフィ(LSFG)として基礎研究・臨床研究ともに用いられてきた.実際に著者が行った糖尿病および網膜静脈閉塞症についての眼循環研究をご紹介したい.LSFG測定により,眼底血流は高血糖により増加し,高血糖に応じて分泌されるインスリンにより誘導される一酸化窒素(NO)による血管拡張により眼底血流は増加することがわかった.また,小動物用のLSFG(LSFG-Micro)を用いて,血管収縮因子のET-1をラットの尾静脈より投与前後の網脈絡膜血流を経時的に測定,同時に動画撮影も行い,静脈血管の変化を記録したところ,LSFGで血管反応がreal timeで観察できることがわかった.
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