抄録
下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術が2011年に保険適用された.その治療件数が急増したが,術後の疼痛や皮下出血が問題であり,より安全かつ有効な照射方式を定量的に求める必要がある.本研究の目的は非臨床実験により至適照射条件を検討することである.独自に構築した非臨床実験照射系を用い,波長,照射パワー,照射時間やファイバーの形状の違いによる照射効果を網羅的に検討し,算出した静脈組織の光学特性値,組織学的評価から,安全性・有効性を評価した.結果,波長1470 nm における静脈組織の吸収係数は波長980 nm より7倍大きく,波長1470 nm の方が効率よく組織に吸収されると考えられた.照射実験の結果,波長1470 nm 半導体レーザーと2リングファイバーを用いた際,組織の穿孔なく,高い収縮率が得られ,血管の内膜から外膜まで,組織の凝固を誘起することができ,至適照射条件の指標を得た.