日本レーザー医学会誌
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特集「眼科診療におけるレーザー関連機器の新展開」
補償光学を用いた網膜イメージング
大音 壮太郎
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2015 年 36 巻 1 号 p. 46-55

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抄録

光干渉断層計や走査型レーザー検眼鏡などの眼底イメージング装置では,主に眼球光学系の収差の影響で視細胞を描出することができない.この収差は補償光学技術により補正することができる.補償光学は眼球の収差を測定するウェーブフロントセンサーと収差を補正する可変形鏡・液晶空間位相変調素子などから構成される.補償光学技術を眼底イメージング装置に適用することにより,網膜神経線維束・血球動態・視細胞を観察することが可能である.補償光学適用走査型レーザー検眼鏡(AO-SLO)により,中心性漿液性脈絡網膜症・黄斑円孔・白点状眼底・macular microhole 症例において錐体細胞異常が明らかとなった.錐体細胞密度は低下しており,更にこれらの異常は視力障害と関連していた.AO-SLOを用いた高解像度イメージングは,既存の走査型レーザー検眼鏡や光干渉断層計では同定できない微細な構造異常を検出することが可能で,様々な網膜疾患の理解を深めることができる.

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© 2015 特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
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