2016 年 37 巻 1 号 p. 98-105
排卵誘発に抵抗する難治性不妊症の治療法として,低反応レベルレーザー治療(low-reactive level laser therapy: LLLT)による卵巣機能の改善が不妊治療において注目されつつある.しかし,LLLTの作用機序については未だ十分明らかではない. 難治性不妊症に効果をもたらし,顆粒膜継代培養細胞株であるKGN 細胞に対するガリウムアルミニウムヒ素(GaAlAs)半導体レーザーによる我々の研究成績では,LLLT がmitogen-activated protein kinase(MAPK)を介して血管内皮増殖因子(VEGF)産生を促進した.