日本レーザー医学会誌
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総説
量子カスケードレーザーを用いた無侵襲血糖値測定
吉岡 希利子小山 卓耶木野 彩子松浦 祐司
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2018 年 39 巻 2 号 p. 105-110

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抄録

中赤外領域で発振する量子カスケードレーザー(QCL)を用いた血糖値測定法について紹介する.複数の単一波長QCLと中空光ファイバを用いた中赤外分光システムを構築し,ヒト口唇の吸収スペクトルを測定することにより,血糖値測定を行う.測定に用いるQCLの波長については,フーリエ赤外分光器を用いて行った口唇の吸収スペクトルにおいて,血糖値との高い相関が得られているグルコースの環状構造に起因する吸収ピーク波長1,152 cm−1を選択した.また,グルコースの吸収が現れない1,186 cm−1の吸光度をリファレンスとすることで,ベースラインの変動を取り除くことを試みた.これら2波長における吸光度の差分値と,採血による血糖値を比較したところ,両者の間に相関を確認することができた.

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© 2018 特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
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