2018 年 39 巻 2 号 p. 111-116
歯科用レーザーは優れた切開・止血能を有している.この性質は口腔外科領域の軟組織疾患手術に適している.レーザー手術の適応としては,表在性悪性腫瘍や前がん病変の切除・蒸散があげられる.今回,われわれは早期舌がんにレーザーを使用しその適応および問題点について検討した.電気メスでの切除症例と比較するとレーザーメスでは,血管の切断面は十分に熱凝固された.また切断面の組織内に赤血球の組織浸潤がみられず,切除時の出血が少なかった.舌がんでは舌筋層に切除が及ぶため,切開時に筋収縮の生じないレーザーは正確なマージン設定が可能となる.