2019 年 39 巻 4 号 p. 303-314
In vivo動物心筋モデルにおけるtalaporfin sodiumを用いた細胞外光増感反応による電位減少を調査するために,酸素環境を改善したin vitro心筋細胞モデルを設定し,共通に使用できる評価基準を用いて比較した.電位計測は,in vivoモデルではイヌの薄い心房筋を対象とし,電極カテーテルを用いて行った.In vitroモデルでは膜電位感受性色素を用いて細胞の膜電位計測を行った.In vitroモデルの酸素供給改善のため流路を作製し,反応領域中の溶液を1秒間に約3回入れ替えた.In vivoおよびin vitroモデルにおいて,初期電位値の1/eまでの減少に必要な投入エネルギーのオーダーが一致したため,本in vitro心筋細胞モデルは光増感反応によるin vivo心筋の電位減少の調査に有用と考える.