論文ID: jslsm-43_0015
GaAlAs半導体レーザー(810 nm)は象牙質・歯髄複合体での硬組織形成を促進させることから,歯髄保存療法の予知性向上に寄与する可能性がある.その機構は,歯髄の可逆性組織傷害に対する修復機転に基づくと思われるが,詳細は明らかでない.そこで著者らは,同レーザーをラット臼歯に照射後,象牙芽細胞分化マーカー(熱ショックタンパク25)発現細胞の挙動や非コラーゲン性基質タンパク質の発現動態を解析した.本稿ではその成績を概説するとともに,同レーザーによる硬組織形成促進機構を考察する.