日本レーザー医学会誌
Online ISSN : 1881-1639
Print ISSN : 0288-6200
ISSN-L : 0288-6200
Flashlamp Dye Laserによる単純性血管腫の治療
臨床成績の検討
林 洋司安田 幸雄塚田 貞夫
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 11 巻 4 号 p. 83-92

詳細
抄録

flashlamp dye laser (Candela SPTL-1P, SPTL-1) を用いて, 295例 (305部位) の単純性血管腫を治療し, その治療成績を検討した。
4段階評価による成績は, 著効85部位, 有効186部位, やや有効23部位, 無効11部位で著効と有効をあわせた有効率は89%であった。
副作用として問題になるような瘢痕形成は生じなかった。また異常な色素沈着も発生しにくく, 発生しても一過性であった。単純性血管腫に対するflashlamp dye laser治療は安全な治療法であり, 一定期間をおいて同一部位へ繰り返し追加照射を行うことによって, いかなる年齢, どの部位においても高い有効性が獲得できると考えられた。しかし, 色素沈着が強い症例ではレーザー光の透過性が妨げられ, 治療が困難となる。そのような症例に対してはまず削皮術を行ってメラニンの多い表皮を除去, 上皮化後の色素脱失状態の時期に照射を行って好成績を得た。

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top