日本レーザー医学会誌
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歯内治療学よりみた最近のレーザー応用
須田 英明
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1999 年 20 巻 1 号 p. 31-38

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抄録

本論文は歯内治療学の分野における最近のレーザー応用について概括したものである. Er: YAGレーザーは窩洞形成の方面で有望と思われる. クリーンな切削, 少ない騒音, 痛みの軽減が可能であり, しかも振動なく窩洞形成を行うことができる. レーザーは歯髄血流測定にも用いられている. 外傷歯や発育途上の歯では, レーザー・ドプラー血流測定が歯髄の生死を判定する唯一の診断法となる場合がある. またNd: YAGレーザーを生活断髄に応用したところ, 露髄面における硬組織 (dentin bridge) の形成が促進された. さらにEr: YAGレーザーを外科的歯内治療に応用したところ, 象牙質削除面にはスミヤー層が認められず, きれいな切削面が得られた. 歯内治療領域におけるレーザー応用は, 年々わが国の歯科医師の間で普及しつつある.

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