日本レーザー医学会誌
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子宮頸部病変に対するレーザー療法
林 卓宏鈴木 孝浩千田 学工藤 隆一
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2000 年 21 巻 1 号 p. 19-25

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抄録

子宮頸部病変に対するレーザー治療の当科における適応は, 挙児希望で,(1) 脈管侵襲の無い微小浸潤癌,(2) 上皮内癌, および (3)コルポスコピー下での狙い組織診で高度異型成であっても, 細胞診で上皮内癌以上の病変が強く疑われる症例としている, 妊娠中の円錐切除術の適応は, 妊娠初期・中期において細胞診で微小浸潤癌が疑われるが, 生検組織診で上皮内癌以下の場合には診断的意義も含めた円錐切除術を施行し, 微小浸潤癌の場合は治療的円錐切除術を施行している. また, 最高病変が上皮内癌であっても, 病巣が広く, 治療を希望する症例の場合も円錐切除術を施行している. 円錐切除術時の注意点としては, 非妊婦の場合, 術後頸管狭窄防止のため, 深さは2cmを超えない切除を心掛けている. 一方, 妊娠症例に対しては, 頸管縫縮術を追加した治療的レーザー円錐切除術を積極的に行っている.

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