日本レーザー医学会誌
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子宮頸部腫瘍におけるレーザー療法
泉 貴文金井 督之新井 正秀久嶋 則行源田 辰雄蔵本 博行
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2000 年 21 巻 1 号 p. 37-44

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抄録

子宮頸部腫瘍に対するレーザー蒸散法, 円錐切除法の施術方法および治療成績について, われわれの経験を報告する. 使用機器はCO2レーザーに加えNd-YAGレーザー (Molectron Model 8000), KTP/YAG Laser Surgical System等である. 蒸散法において, 初回治療成績 (レーザーのみの一回の治療で治癒した例の割合を初回治療成績とした) は軽度異形成43例, 中等度異形成132例, 高度異形成136例, 上皮内癌109例のうちそれぞれ93%, 92%, 94%, 91%であった. 一方円錐切除法での初回治療成績は軽度異形成26例, 中等度異形成73例, 高度異形成112例, 上皮内癌174例のうちそれぞれ92%, 99%, 97%, 94%であった. また微小浸潤癌で円錐切除法を行った87例での初回治療成績は95%であった. 蒸散法で26例, 円錐切除法を行った上皮内癌および微小浸潤癌で23例が妊娠した.
子宮頸部腫瘍に対する保存的治療にレーザー療法は至適な治療と判断された.

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