抄録
要約:病理検査におけるZiehl-Neelsen抗酸菌染色法は陽性率が低く,結核菌に特異的ではない.結核腫疑い症例のホルマリン固定パラフィン包埋組織切片からDNAを抽出しnested PCR法で結核菌特異的反復挿入配列(IS6110)を同定した.Ziehl-Neelsen染色の抗酸菌同定率が14%(2/14例)であったのに対し,PCR法では57%(8/14例)の症例で結核菌DNAが検出された.結核菌核酸増幅検査は結核菌の直接的な存在証明であり,ホルマリン固定パラフィン包埋組織切片を用いた結核菌遺伝子診断を行うことは,結核腫の病理診断の補助診断として有用であると考えられた.