昭和医学会雑誌
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臨床報告
原発性肝癌肝切除後の根治的治療不能残肝再発例に対するCDDP+5-FUによる肝動注療法の経験
―静止療法としての抗腫瘍効果と副作用―
清水 喜徳, 青木 武士, 安田 大輔, 松田 和広, 草野 智一, 榎並 延太, 林 賢, 三田村 圭太郎, 村井 紀元, 新谷 隆, 加藤 博久, 草野 満夫
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2009 年 69 巻 5 号 p. 432-438

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抄録
原発性肝癌肝切除後の肝外再発巣を伴わない残肝再発例のうち,種々の治療に対する抵抗性や残肝機能の著しい低下により根治的治療が不能となった症例に対しcisplatin(CDDP)および5-fluorouracil(5-FU)による肝動注療法(FPIC療法)を施行し,その抗腫瘍効果および副作用の出現頻度と程度から,肝動注療法が緩和療法に移行するまでの静止療法として抗腫瘍効果を有する副作用の少ない治療法であるかを検討した.肝外再発巣を伴わない残肝再発例で根治的治療が不能となった7例を対象とした.原発性肝癌の内訳は,肝細胞癌5例,肝内胆管癌1例,混合型1例であった.肝動注療法はCDDP 10mg/30分+5-FU 250mg/3時間を5日間行い2日間休薬することを1クールとして4クール施行し,その後2週間休薬した後,CDDP 20mg/30分+5-FU 375mg/3時間を2週間毎に可能な限りくり返し継続した.上昇していた腫瘍マーカーは全例で低下し,腫瘍径・腫瘍個数に関する抗腫瘍効果はCR 0%(0/5),PR 71.4%(5/7),SD 28.6%(2/5),PD 0%(0/5)であった.FPIC療法の平均継続期間は7.3か月(1か月~1年6か月)で,PR例に限れば10.2か月(4か月~1年6か月)であった.予後は全例死亡したものの,FPIC療法開始からの平均生存期間は14.4か月(3か月~2年)で,PR例のみでは17.2か月(8か月~2年)であった.副作用の出現は血小板減少3例,白血球減少2例,胃潰瘍1例であったが,これらは休薬・薬剤投与によって軽快し,重篤化する症例はみられなかった.原発性肝癌肝切除後の根治的治療不能残肝再発例に対するFPIC療法は,その再発進行度や残肝機能の高度低下を加味すれば抗腫瘍効果が期待でき,また,重篤化した副作用もみられず,緩和療法に移行するまでの静止療法として抗腫瘍効果を有する副作用が軽度な治療法であると考えられた.
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© 2009 昭和大学学士会
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