昭和医学会雑誌
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原著
前立腺癌の内分泌療法による骨粗鬆症に対する経口ビスフォスフォネート製剤の予防効果に関する検討
丸山 邦隆永田 将一深貝 隆志島田 誠小川 良雄
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2010 年 70 巻 3 号 p. 222-227

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抄録
前立腺癌患者に対する内分泌治療後に生じる骨密度の低下と,それに対する経口ビスフォスフォネート製剤(リセドロネート)の予防効果について検討を行った.骨転移を認めない前立腺癌患者で内分泌治療を施行した26例(内分泌療法単独群)の治療前ならびに治療1年後に腰椎,大腿骨頸部,大腿骨近位部全体,橈骨遠位端の骨密度を測定した.骨密度の測定には二重エネルギーX線吸収測定法(dual energy X-ray absorptiometry:DEXA)を使用した.さらに骨粗鬆症予防のためリセドロネート内服を希望した22例(リセドロネート投与群)も同様に骨密度を測定し内分泌療法単独群と比較検討を行った.内分泌療法単独群で治療開始前と1年後の骨密度を変化率(治療開始1年後の骨密度/治療前の骨密度-1)で検討したところ大腿骨頸部-5.0%,大腿骨近位部全体-1.5%,腰椎-4.5%,橈骨遠位端-3.4%といずれの部位も骨密度の低下が見られた.次にリセドロネート投与群でも同様の検討を行ったところ大腿骨頸部-1.1%,大腿骨近位部全体-0.5%,腰椎-0.6%,橈骨遠位端-0.1%とやはり骨密度の低下が見られたものの大腿骨近位部全体以外では有意な骨密度低下の抑制が見られた.前立腺癌の内分泌治療により全身の骨で骨密度が低下することが示された.さらにリセドロネートの投与により内分泌療法に伴う骨密度の低下を予防する効果があることが示唆された.
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© 2010 昭和大学学士会
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