抄録
症例は18歳,男性.既往に喘息がある.中距離走の直後に喘鳴,呼吸困難,顔面浮腫,意識混濁を認めた.運動の直前にクラッシュゼリー状サプリメントを摂取しており,それにはローヤルゼリーが含まれていた.アナフィラキシーの原因として疑い生ローヤルゼリーの経口負荷試験を施行したところ,喘鳴と呼気ピークフロー値の低下を認めた.運動負荷のみでは症状は再現されなかった.ローヤルゼリーによるアナフィラキシーと診断し,運動や喘息の合併は症状の重症化に寄与したものと考えた.本邦で広く普及・販売しているにもかかわらず,今日までクラッシュゼリーの形態をした食品によるアナフィラキシーの報告は稀少であり報告した.