昭和医学会雑誌
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原著
下顎骨骨折の統計学的考察
―骨折線数を考慮した分類による検討―
阿部 央
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2012 年 72 巻 2 号 p. 216-221

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抄録
下顎骨骨折は顔面骨骨折の中でも,骨折線数や骨折部位が診断や治療上問題になりやすい.これまでの「骨折線数を考慮しない部位別分類(以下,従来法)」と,今回調査した「骨折線数を考慮した分類」(以下,新分類法)を比較検討する.今回の新分類では骨折線の数が1つの場合をI型,2つの場合をII型,3つをIII型,4つ以上をIV型としてレトロスペクティブにt検定を用い年齢,性別,原因,X線における骨折線部位,骨折線数,他の骨折や合併症の有無,治療方法,入院期間など詳細な調査を試みた.調査対象は,過去14年4か月に昭和大学病院形成外科を受診した症例について行い,統計学的検討を行った.新分類法では従来法と比較してタイプ別の治療期間の標準偏差(全型平均)約17から8へ,分散(全型平均)が約287から64へ低値を示し,入院期間の詳細な予測が可能となった.骨折の発生部位は受傷機転に影響されやすく,同時に社会背景により大きく変動するため,骨折線数別の発生部位を見出すことで受傷年代別の骨折状態や治療方針,詳細な入院期間の予測が可能となり,さらにクリニカルパスやインフォームドコンセントに有用と考える.
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© 2012 昭和大学学士会
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