2012 年 72 巻 2 号 p. 222-228
頭蓋顎顔面領域において,骨折や骨切り手術に従来より使用されていた金属製プレートにかわり,未焼成ハイドロキシアパタイト(u-HA)とポリ―L―乳酸(PLLA)の複合体からなる生体吸収性骨接合ミニプレートシステムが多く使用されてきている.今回われわれはその有効性や安全性の大規模調査を行った.その結果,従来用いられている金属製プレートと比較して異物反応や感染,骨の再転位など合併症に明らかな有意差を認めず,また手術回数の明らかな減少を認めた.生体内分解吸収性骨接合材料は安全性においても従来の金属製プレートと比較し同等であると考えられた.