抄録
症例は66歳女性.血便を主訴に当院を受診した.上部・下部消化管内視鏡検査するも出血源を同定できず,ダブルバルーン内視鏡検査にて回盲弁から約10cm口側に粘膜下腫瘍を認めた.CT検査では小腸に造影効果を有する壁肥厚像を認め,小腸間膜リンパ節が腫大していた.病理検査による確定診断はつかなかった.十分なインフォームドコンセントのもと,単孔式腹腔鏡下に回盲部切除と所属リンパ節の可及的郭清を施行した.術後の病理検査で小腸原発悪性リンパ腫と診断した.術後経過は良好で第15病日に退院となった.単孔式腹腔鏡下手術は効果的に腹腔内の観察や切除を行うことが可能で,美容的に優れており,小腸悪性リンパ腫に対して有用であったので報告する.