昭和医学会雑誌
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臨床報告
腹腔鏡下虫垂切除術における術中洗浄の工夫
鈴木 直人鈴木 恵史富永 幸治星野 光典成瀬 博昭村上 雅彦
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2012 年 72 巻 2 号 p. 259-263

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抄録

腹腔鏡下虫垂切除術における術中洗浄の必要性に関しては統一した見解はない.当院では手術適応となる急性虫垂炎すべてを腹腔鏡下虫垂切除術の適応とし,術式の工夫として全例に高速洗浄器による術中大量洗浄を施行している.洗浄量は術中に明らかな炎症性腹水を認めれば,温生食10lとし,それ以外は5lとした.ポート挿入は10l症例では右側アプローチとし,5l症例では左側アプローチとした.ドレーンは全例ダグラス窩に挿入し,翌日抜去とした.92症例が対象となった.組織学的にはカタル性が7例,蜂窩織炎性が41例,壊疽性が44例であった.すべての症例で術後合併症は認めなかった.その術中洗浄の工夫について紹介する.

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© 2012 昭和大学学士会
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