抄録
症例は82歳,女性.下血を主訴に当院を受診.下行結腸癌の診断で下行結腸部分切除術を施行した.吻合は自動縫合器を用いた機能的端々吻合(FEEA)で行った.病理診断では,Well(tub1>pap,muc),pT3(SE),N1,N0,M0,H0,P0,p-stageIIIaであった.初回手術後,2年間に3回の吻合部再発をきたし,その都度吻合部切除術を行った.吻合部切除後の再吻合はFEEAが行われた.吻合部再発は当教室では1.4%に認め,比較的まれな再発形式である.本例は初回根治手術後に3回の吻合部再発を認め,極めてまれな症例と考えられたため,若干の文献的考察を加えて報告する.