抄録
BleomycinによるProlyl hydroxylase活性, 並びにDNA鎖切断活性促進の機構は種々の実験結果から反応液中のcofactorの一つである2価鉄イオンとの複合体形成によるものであることがわかり, かつその際, BleomycinはFe〓と1: 1に結合することが判明した.
Fe〓結合能があるBleomycin誘導体, 分解物は全てProlyl hydroxylase活性を促進した.
Bleomycinの構造のうち, 末端アミン, 末端アミド, 糖鎖構造はFe〓の結合に関与しておらず, これらが欠除したBleomycinでも酵素活性を促進する.一方, DNA鎖切断活性には, Fe〓を結合する構造以外に, DNA鎖に親和性をもつ基が必要になり, 上記構造もDNA鎖切断に重要な役割を担っていると思われる.
BleomycinはFe〓と複合体を形成し, 分子状酸素を活性化し, 一方ではProlyl hydroxylaseの水酸化反応, 他方で, DNA鎖切断反応を促進しているものと思われる.