昭和医学会雑誌
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血液培養の成績―昭和50年7月の開院から55年12月までの藤が丘病院における敗血症, 菌血症とその起因菌について―
中村 良子青木 良雄田沢 節子小野 善栄米久保 功
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1981 年 41 巻 5 号 p. 585-592

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抄録

昭和50年7月から55年12月までの昭和大学藤が丘病院における血液培養陽性例について検討を加え, 以下の成績を得た. (1) 検体1018例のうち陽性は151例, 陽性率15%であり, ほとんどが重篤な基礎疾患を有していた. (2) 菌血症の53%はグラム陰性桿菌 (GNB) に起因していた. (3) 複数菌菌血症は27%に達し, 原因菌種はE. Coli, Klebsiellaなどが多く, 多彩化の傾向にあった. (4) Bacillus菌血症は日和見感染症の一つとして注目されるべきと考えられた. (5) 菌血症経過中のDIC発生頻度は18%, 細菌性ショックを来した例は8% (GNB分離陽性例中の15%) , いずれも白血病患者に多く認められた. (6) 原因菌の薬剤耐性状況は, GNBではβ-lactam系のみならず, テトラサイクリン系, クロロマイセチン系にも高い耐性を示した.またゲンタマイシン耐性株も増加の傾向が認められた.

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