抄録
過去5年間において, 螢光抗体直接法を施行した膠原病, 血管炎, 水疱症の症例を主とし, 他の皮膚疾患の症例を合わせた計409例496検体について検索した成績を報告した.1.血管炎群, 水疱症群, SLE, DLE, 扁平苔癬については, 既報告とほぼ同様の所見が得られ, 本法の重要性が改めて確認された.2.w-DLEにおいて, 背部無疹部が陽性所見の場合には, 後にSLEへ移行する可能性を考慮する必要があるのではないかと考えた.3.皮膚筋炎の皮疹部において, 陽性所見の場合には, Overlapping症候群か, あるいはそれへの移行を考慮する必要があるのではないかと考えた.4.その他の皮膚疾患においては, 若干の陽性所見が認められ, これらについては, 今後さらに症例の集積と検討の必要性が示唆された.