昭和医学会雑誌
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42 巻, 1 号
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  • 栗山 節郎, 中島 清隆, 大村 和久, 福沢 啓一, 瀧川 宗一郎, 阪本 桂造, 佐々木 孝, 藤巻 悦夫, 上村 正吉
    1982 年 42 巻 1 号 p. 5-12
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    昭和50年から54年末までの5年間の当教室外来受診者総数23, 979名, このうちスポーツを原因とするスポーツ外傷・障害は1, 055名 (4.4%) , 1.111症例.この症例を分類すると, 性別では男68.9%, 女31.1%: 年齢では20歳台43.3%, 10歳台後半20.6%, 30歳台13.1%, 10歳台前半11.3%: 疾患別では骨折28.7%, 捻挫24.0%, 打撲9.8%, 腰背痛6.9%: 部位別では膝13.2%, 手指12.9%, 足関節11.8%, 肩10.9%, 腰背部10.2%: スポーツ種目別ではスキー17.0%, 野球13.4%, バレーボール7.0%, バスケットボール6.2%, 柔道4.1%.種目別頻発外傷はスキーでは下腿骨折21.2%, 膝捻挫16.8%, 足関節捻挫12.3%: 野球では指の骨折・捻挫・脱臼23.0%: サッカーでは足関節捻挫・骨折21.3%.各種スポーツ種目により外傷・障害の発生部位・疾患に特徴があり, これらを知ることにより, その診断ならびに予防対策に寄与するものと思う.
  • 工村 房二, 神田 実喜男
    1982 年 42 巻 1 号 p. 13-21
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    膵臓における急性炎症は活性化された酵素による化学的自己融解像を示めす急性腹症に属する事態が中心であるが, 病理学的な観点からは他の広範な病変も含まれている.
    本論文は急性膵炎の成因の一端を解明すべく, 始めに剖検材料による膵病変像の解析を行ない, 次いで従来からの膵炎分類との対比のもとに膵障害の分類を試案した.さらにSodium propul Valproate (DPA) を用いて膵障害を発来させる実験をし病理形態学的検討を行なった.被検動物は雄幼若モルモットを用い, DPAを体重100gあたり50mgから300mgを毎日1回最高21回 (4種7群) 腹腔内に注射した.
    1群から3群までは投与回数に比例してその変化は漸増かつ増強し, 腺房細胞の軽度変性から原形質内微細小器官の変化, 所謂空胞 (ミトコンドリアの膨化と粗面小胞体の内腔拡張および巨大空胞化) が認められる.4群から5群では所謂空胞がその軽重は別として大多数にみられ, 高度になると細胞の崩壊も認められる.6群から7群では変化の差があるものの所謂空胞が軽度から中等度に認められる.すなわち, 低濃度から高濃度さらに投与回数が増加するにしたがって, 膵の腺房細胞に漸増かつ増強的に細胞障害性の変性病変が認められる.以上, このDPAが膵臓に与える影響は膵の実質である腺房細胞を直接障害するものである.また, 膵障害分類試案では急性膵障害の中の変性型すなわち急性実質性膵炎に該当するものと考えられる.
  • 風間 敏英, 田中 洋子, 石橋 芳男, 末次 敏之, 杉崎 徹三
    1982 年 42 巻 1 号 p. 23-33
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    過去5年間において, 螢光抗体直接法を施行した膠原病, 血管炎, 水疱症の症例を主とし, 他の皮膚疾患の症例を合わせた計409例496検体について検索した成績を報告した.1.血管炎群, 水疱症群, SLE, DLE, 扁平苔癬については, 既報告とほぼ同様の所見が得られ, 本法の重要性が改めて確認された.2.w-DLEにおいて, 背部無疹部が陽性所見の場合には, 後にSLEへ移行する可能性を考慮する必要があるのではないかと考えた.3.皮膚筋炎の皮疹部において, 陽性所見の場合には, Overlapping症候群か, あるいはそれへの移行を考慮する必要があるのではないかと考えた.4.その他の皮膚疾患においては, 若干の陽性所見が認められ, これらについては, 今後さらに症例の集積と検討の必要性が示唆された.
  • (1) 電気化学的検出器付高速液体クロマトグラフィーによる二種向精神薬 (クロルプロマジン, レボメプロマジン) 血中濃度同時測定法
    上野 忠孝
    1982 年 42 巻 1 号 p. 35-43
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    多種薬物療法は, 臨床各分野で日常的なことであるが精神科領域でも例外ではない.この併用向精神薬の臨床薬物動態学的検討を試みるため, 多くの向精神薬の中から二種類のフェノチアジン化合物 (クロルプロマジン (CPZ) , レボメプロマジン (LPZ) ) をとりあげ, まず, その血漿中濃度の同時測定法を検討し確立した.電気化学的検出器を備えた高速液体クロマトグラフィーを用いて諸分析条件を確立し, 両者の最小検出量は100Pgで, 血漿中CPZ, LPZの高感度で選択的な同時測定を可能とした.水素炎イオン化検出器または, 電子捕獲検出器付ガスクロマトグラフィー, 紫外部吸収検出器付高速液体クロマトグラフィーと比較して最も高感度な測定方法であった.さらに, この方法を用いて臨床場面での併用向精神薬の薬物動態学的研究をすすめている.
  • 劉 弘文
    1982 年 42 巻 1 号 p. 45-56
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    下垂体前葉のthyroid stimulating hormone (TSH) 細胞の分泌顆粒の集団開口分泌機序ならびに開口分泌後の顆粒膜の運命を明らかにするために, 合成thyrotropin releasing hormone (TRH) 投与後のラット下垂体前葉のTSH細胞について, horseradish peroxidase (HRP) 標識法とacid phospatase (AcPase) 活性の電顕的組織化学によって検索した.生後約5週齢のWistar系雄ラットの大腿静脈にHRPを注射し, 30分後に合成TRH (200/μg/0.4ml) を注射した.合成TRH注射後10, 30分および60分に下垂体前葉を摘出し, 2%パラホルムアルデヒド, 2%グルタールアルデヒド混合液にて浸漬固定後, diaminobenzidine反応を行った.AcPase反応は合成TRHのみ投与した群について行った.1.合成TRH投与後, 10, 30分および60分のTSH細胞において, 分泌顆粒の単一ならびに集団開口分泌像およびendocytosisの過程を示す被覆小陥凹が細胞膜や集団開口分泌部の基底部にしばしばみられた.2.HRP静注後30分に合成TRHを投与した群では, TRH投与後10分のTSH細胞の細胞質周辺部にHRP分子を取り込んだ被覆小胞がみられた.TRH投与後30分では, 分泌顆粒の集団開口分泌の陥凹部にHRP分子の取り込みが認められた.細胞質内の分泌顆粒の芯を多数含んだ大きい空胞や明るい小胞内にもHRP分子の取り込みがみられた.このようなHRP分子を取り込んだ小胞は拡大したゴルジ装置の近旁に数多く観察された.TRH投与後30分と60分のTSH細胞において稀にゴルジ装置のtrans側のゴルジ槽内にHRP分子が僅かに認められた.3.合成TRH静注後10, 30分および60分のTSH細胞において, AcPase反応を行った結果, TRH投与後30分で拡大したゴルジ装置のtrans側のゴルジ槽に強いAcPase活性が認められた.そのほか, ゴルジ装置, およびその近旁の小胞にもAcPase活性がみられた.また, 回収小胞の集合体に一次ライソゾームが融合している像もみられた.これらの所見から, TSH細胞の分泌顆粒の集団開口分泌は開口分泌している分泌顆粒に他の分泌顆粒がつぎつぎと融合し, 連続して集団開口分泌することが示唆され, さらに開口分泌後endocytosisによって細胞質内へ回収された顆粒膜の大部分はライソゾームによって消化処理されるが, 一部はゴルジ槽の膜に直接組み込まれて分泌顆粒の限界膜として再利用される可能性のあることも示唆された.
  • ―在宅, 在院と欠陥程度の関係について―
    井口 喬, 中川 之子, 板橋 仁, 堀田 博, 玉置 元, 押尾 雅友
    1982 年 42 巻 1 号 p. 57-72
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    烏山病院において1979年9月30日現在, 直接観察期間10年以上の通院および在院中の分裂病 (非定型を除く) 501例について, 現時点における実態を調査し, また現在の状況における分裂病の医療の焦点と困難さについて考察した.さらに従来からいわれている分裂病の予後に関係する幾つかの指標についても分析, 考察を加えた.1.社会適応状況について適応度は生活行動能力を基準にし, 精神症状の総合評価を加え, 6段階に区分したが, 予後を大きく良好, 中間, 不良の各群に分けて比較した.この結果良好群は13.6%であり, 中間群は58.8%不良群は27.6%であった.2.中間群すなわち中間安定群と中間不安定群は現在の分裂病に対する精神科医療の結果が示す分裂病欠陥の平均像である.またこれら中間群は通院と在院にほぼ等分されるが, この群に対する処遇の仕方がいわば精神科リハビリテーションの重要な課題となることを示している.3.分裂病に対する治療手段の変化は分裂病の予後率に変化をもたらしているかどうかは断定はできないが, 少なくともこれら治療手段の変化が中間群の増大を示していると考えられる.また本調査では分裂病の病型の変化として, 時代とともに緊張型欠陥の減少と破瓜型の増加が認められた.4.分裂病定型群について予後に関連する要因についてはいずれも有意差のある関連を認めなかった.
  • 友安 茂, 長谷川 洋
    1982 年 42 巻 1 号 p. 73-80
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    Ceruloplasmin (以下CPと略す) は1948年Holmbergらによって発見された銅蛋白でα2-globulin分画に属している.その生理作用は二価鉄を三価鉄に酸化させるferroxidase作用, 銅をcytochrome oxidaseなどの細胞内酵素に運搬する作用, super oxide処理作用, 造血促進作用である. Apoceruloplasmin (以下apo-cpと略す) はcpの前駆物質でα1-globulin分画に属しoxi-dase作用を有さず, その生理作用は不明である.銅欠乏ラットを作成すると低CP血症となり小球性低色素性貧血が発症することがしられており, この発症機序にcpのferroxidase作用, 銅運搬作用が関係していることが近年明らかにされた.一方, 各種疾患で血清cp値が変動することが知られている.われわれは血清cp値と血色素量, 赤血球数, ヘマトクリット値, 血清鉄などとの関連を調べcpの臨床的意義について検討した.Apo-cpの血清濃度はcpの10~20%であるが, 正常人血清を抗cp血清を用いて免疫電気泳動するとapo-cpは検出されず, その量が一定量を越えるとapo-cpの沈降線が出現する.この事実を利用して, 各種疾患血清を抗cp血清を用いて免疫電気泳動し, apo-cpの沈降線の有無と血清cp値, 血色素量, 赤血球数, ヘマトクリット値などとの関連を調べ, cp, apo-cpの臨床的意義について検討し下記の結論をえた.1.cpとapo-cpは一部共通の抗原を有していた.2.検索しえたほとんどの疾患において血清cp値と血清銅とはよく相関した.3.再生不良性貧血では血清cp値と血色素量, 赤血球数, ヘマトクリット値, 血清鉄, 血清銅の間に強い相関が認められた.鉄欠乏性貧血と急性白血病においても血清cp値と血色素量, 赤血球数, ヘマトクリット値, 血清銅の間に相関がみられた.4.免疫電気泳動を行なうと正常人ではapo-cpは検出されず, 再生不良性貧血, 肝硬変, 妊娠, 鉄欠乏性貧血, 急性白血病, 悪性腫瘍, 腎疾患でapo-cp陽性例が認められた.5.再生不良性貧血では貧血が高度で, 血清銅, 血清鉄, 血清cp高値例でapo-cpは陽性となった.肝硬変では貧血が強く, 血清鉄, 血清cp値が低く, ICG試験で血漿消失係数が小さな症例でapo-cpが検出された.妊婦では血清cp値, 血清銅の高値例でapo-cpが陽性であった.
  • 北村 公博, 野津 立秋
    1982 年 42 巻 1 号 p. 81-87
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    Ceruloplasmin (以下cp) は生体内では主に, 酸化型のcpとして存在しているが, 銅を含まないApo-ceruloplasmin (以下Apo-cp) も, 血清cpの10~20%存在している.今回cpとApo-cpの各種疾患時における存在様式を知る目的で, cpをoxidase活性測定法と免疫学的測定法で定量し, 比較検討した.対象および方法: 正常人, 肝硬変症, 肝炎, 鉄欠乏性貧血, 再生不良性貧血, 白血病, 悪性腫瘍, 腎疾患, 透析患者及び妊娠例の計192症例でoxidase活性による定量法と免疫学的定量法で測定した.結果: 正常人では免疫学的測定法では, oxidase活性による測定値より平均5mg/dl多い値が得られた.肝硬変症では両測定値とも正常人より低値を示し, 肝炎では両測定値の差が大きかった.鉄欠乏性貧血では一定の傾向を示さず, 再生不良性貧血では, 主に酸化型のcpが増加していた.白血病やその他の悪性腫瘍では, oxidase活性を免疫学的測定が大きく上まわり, 腎疾患ではoxidase活性は正常人より低かったが免疫学的測定値は高かった.血液透析症例では両測定値にほとんど差はなく, 妊娠例では, 両測定値共高値を示していた.
    結語: 各種疾患でcpをoxidase活性と免疫学的方法により測定し, 両測定値の比較検討により, 次の結果を得た.1) oxidase活性値と免疫学的測定値では, 免疫学的測定値が大きく, その差はApo-cpと考えられた.2) 肝硬変症では, Apo-cpの産生の低下が認められた.3) 鉄欠乏性貧血では, その原因, 鉄の分布状態, estrogen量, cpの産生など症例により異っているため, 一定の傾向はみられなかった.4) 肝炎, 白血病, 悪性腫瘍, 妊娠ではApo-cpの産生の亢進が認められ, acute phase proteinとしての作用, 鉄代謝との関連, estrogenの影響などがあるものと推定された.5) 再生不良性貧血では, 酸化型のcpが増加しており, 鉄の利用障害との関連が示唆された.6) 腎疾患では, 銅とApo-cpの結合が阻害されている症例が認められた.7) 血液透析患者では, Apo-cpが少いことが特徴であった.
  • 八塚 正四, 岡松 孝男, 三浦 純一, 金 義孝, 藤本 宗平, 城 一也, 石井 淳一
    1982 年 42 巻 1 号 p. 89-94
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    過去11年間に139例の新生児症例を経験した.この期間の前・後期を比較すると症例数の増加が目立った.取り扱った症例のうち多い順に挙げると, 腸同転異常症, 先天性腸閉鎖症, 輪状膵を含む先天性十二指腸閉鎖症, 直腸肛門奇形, 消化管穿孔, 先天性肥厚性幽門狭窄症, 先天性食道閉鎖症, 臍帯ヘニルアなどであった.これらの疾患は, ほとんどが緊急疾患であり, 約半数は生後7日以内に手術がなされている.全症例数の約70%は, 小児科および小児科関連施設からの紹介によるものであった.未熟児の占める割合は, 全体の約30%であり, その手術死亡率は成熟児の約3.5倍であった.139例の手術死亡率は18.7%であったが, その死亡原因の約60%は合併症によるものであった.
  • 中村 直文, 増田 弘毅, 副島 和彦, 工村 房二, 増野 純, 松井 澄, 前田 正之
    1982 年 42 巻 1 号 p. 95-103
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    全身性アミロイド症は, 慢性炎症性疾患, 悪性腫瘍, 膠原病に続発して認められることは従来よりよく知られている.しかしながらその成因等については, 現在なお明らかな結論がでていない.症例Iは, 54歳の男性で昭和50年7月より慢性関節リウマチにて加療, その後, 心窩部痛, 下痢, 便秘が反復して出現, 漸次, 症状が増悪, 状態悪化し, 昭和54年5月に死亡, 剖検にて, 全身性アミロイド症, 特に, 消化管, 腎にアミロイド沈着を高度に認めた.症例IIは, 38歳の男性, 慢性関節リウマチにて, 昭和51年11月頃より加療, 昭和53年3月より食思不振, 発熱, 腹痛, 下痢の出現あり, ショック状態となる.以後漸次状態悪化し同年5月に死亡, 剖検にて全身性アミロイド症, 特に小腸, 甲状腺にアミロイド沈着を高度に認めた.以上, 我々は消化器症状を主症状とする, 慢性関節リウマチに合併した全身性アミロイド症の2例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 小澤 明美, 田中 滋城, 田中 宣男, 吉田 一明, 小貫 誠, 八田 善夫, 菊池 良知, 諸星 利男
    1982 年 42 巻 1 号 p. 105-108
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    抗生物質療法の進歩により, 感染症の予防・治療は著しく発展し, 同時に, 種々の副作用も注目されている.今回著者らは, 薬剤性出血性大腸炎の1例を経験した.症例は65歳の男性.下腹部痛と粘血便を主訴として入院.Ampicillin服用の既往と特徴的臨床経過及び大腸内視鏡所見により, Ampicillinによる出血性腸炎と診断した.速やかな服薬中止により症状軽快し, 入院14病日で退院した.本症例は, 便培養にてKlebsiella oxytocaを多数検出し, 本邦では数少ないと思われる全結腸型の病変を示したので, 若干の文献的考察とともに報告する.
  • 溶連菌感染により生じた結節性紅斑の1例
    石橋 芳男, 風間 敏英, 田中 洋子, 末次 敏之, 杉崎 徹三
    1982 年 42 巻 1 号 p. 109-112
    発行日: 1982/02/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    溶連菌感染後に発症した4歳男児の結節性紅斑を報告した.免疫螢光抗体直接法では, 真皮一皮下境界部の小血管にIgG, A, 補体の沈着を認めた.また組織病理学的には同部位の血管に軽度ではあるが, いわゆるneutrophilic vasculitisの所見を呈した.これらの所見より, 本症例の発症にはArthus型のアレルギー反応の関与が示唆された.
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