1984 年 44 巻 5 号 p. 685-689
濾胞中心細胞由来の悪性リンパ腫46例のリンパ節スタンプ標本におけるAlpha-Naphthyl-Acetate-Esterase染色によりPlasma cellへの分化傾向を検索した.Plasma cellあるいはImmunoblastへの分化を示す細胞は胞体内に顆粒状に染色され, 症例によりいろいろな値を示したが平均値は約27.4%であった, この値はCLLやHodgkin病に比較して明らかに高値であったが, Immunocytomaにくらべ低値であった.今回の検索によりB-cellからPlasma cellへの分化の過程は, 炎症性反応と同様腫瘍性過程においても二つの異る過程が示唆された.一つはB.cellからImmunoblastを介する間接的な分化, もう一つは濾胞中心細胞から直接Plasma cellへ分化する過程である.このような分化の機序に対する有効な治療効果を解明するのが我々に課せられたテーマと言えよう.