1984 年 44 巻 5 号 p. 679-683
Alpha-Naphthy-Acetate-Esterase (ANAE) 染色を用いて濾胞中心細胞由来の悪性リンパ腫46例のT-cell Rest populationを検索した.3症例において45%, 60%, 70%とかなり高率のT-cell Restが認められた.さらに13症例で20%を越えるT-cellRestがみられた.これらの所見はリンパ球やリンパ節における病的状態, 特に腫瘍性疾患においては, 免疫学的検索のみならず組織学的, 組織化学的ならびに細胞化学的観察を併用すべきことを指摘している.さらに我々にとって重要なのは反応性変化と腫瘍性過程においてT-cellとB-cellの相互の反応がいかに異るかを解明することである.今後の課題として一つの重要なテーマとなるであろう.