昭和医学会雑誌
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B-cell由来の悪性リンパ腫ではT-cell restやPlasma cell Seriesの量と臨床的予後とは関連があるか?
Alpha-Naphthyl-Acetate-Esterase (ANAE) 染色による検索
杉山 喜彦光谷 俊幸塩川 章九島 巳樹渡辺 秀義飯田 善樹大原 秀治
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1985 年 45 巻 3 号 p. 335-338

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抄録
我々はリンパ節スタンプ標体でANAE染色を用いて種々のリンパ節疾患におけるT-cellとPlasma cell Seriesとの変動を検索している.今回は臨床的にlow grade malignancyとされているnodular lymphosarcoma25例とhigh grade malignancyのB-cell type immunoblastic lymphoma16例とをANAE染色によりT-cellrestとPlasma cell Seriesの量を両疾患について比較した.症例によりT-cell及びPlasma cell Seriesともかなりの変動がみられたが, いずれも平均値においては両疾患の間に推計学的な有意差は認められなかった.悪性リンパ腫, 特にB-cell由来の疾患においてはT-cell restやPlasma cell Seriesの量的変動は予後と相関しないことが示唆された.Routineの検査による腫瘍細胞の形態及び増生状態の観察が予後判定の上ではより重要であり, 特殊検査は常に補助診断として施行すべき方法であろう.
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