昭和医学会雑誌
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頬部皮膚縫縮後の顔面変形に対する緊張解除術の影響
松井 厚雄浅田 一仁
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1985 年 45 巻 5 号 p. 665-671

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抄録
単純および連続縫縮術は, 色調やいわゆる“キメ”の点で, 周囲皮膚との適合性が良好なため, 形成外科領域では多用される基本的かつ重要な手術手技の一つである.一方, この手技は, 過度の皮膚緊張により, その母床である骨変形をきたす危険性も合わせ持っている.特に, 頭蓋・顔面領域では, 骨成長障害による新たな機能障害や醜形を引き起こす事が臨床的には観察される.今回, この皮膚緊張により, 一旦引き起こされた頭蓋顔面骨変形が, その後の緊張の解除により改善されるのか否かを動物実験を行い, その傾向をさぐった.実験動物としてはウィスター系雄ラットを用いた.体重50gにおいて右側頬部皮膚をpanniculus carnosusを含めた全層で切除縫縮したラットを4群に分け比較検討した.まず, 最初の2群は, 平均体重100g 200gの時点でそれぞれdry boneとして測定し, 縫縮方向への偏位が有意に起きている事を確認した.続いて, つぎの2群は平均体重100g 200gの時点で, 50gにて縫縮したときに生じた瘢痕を可能なかぎり切除しpanniculus carnosus下で剥離を加えた後, 緊張を解除するように前回の縫縮軸に垂直の方向へ縫合し, 初回手術より3カ月経過した時点で断頭し計測した.結果は, 100g 200g解除群ともに有意の改善を見た.実際の臨床に当たっては, 成長期において頭蓋・顔面骨変形をきたした後でも, 植皮術や皮弁の使用など適切な緊張の解除により変形の矯正が可能である事を示唆した.
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