昭和医学会雑誌
Online ISSN : 2185-0976
Print ISSN : 0037-4342
ISSN-L : 0037-4342
赤白血病の臨床的検討
森 啓岡田 定滝沢 芳夫萩原 昭二新倉 春男寺田 秀夫
著者情報
ジャーナル フリー

1986 年 46 巻 3 号 p. 415-421

詳細
抄録

我々は, 赤白血病10例の臨床的検討を行った.年令は19歳から77歳平均53.3歳, FAB分類による経過では (1) RAEB (2) RAEB→RAEBt (3) RAEBt→M4 (4) RAEB→RAEBt→M4 (5) RA (6) RAEBt→M1→RAEBt (7) RAEBt→M1 (8) RA→RAEB→fibrosis (9) RA (10) IRAEB→RAEBtの経過であった.染色体分析では7例がmajor karyotype abnormalities (MAKA型) の染色体異常がみられた.化学療法による寛解例はなくやや有効が2例あった.生存期間の中央値は4.5カ月, 予後の検討では, LDH1000wu未満および血小板数5×104/μ1以上の例は予後が良かった.その他, 年令, Hb, 白血球数, 染色体異常の有無による予後の差はなかった.

著者関連情報
© 昭和医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top