昭和医学会雑誌
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日本人男女の耳介長軸と鼻梁線とのなす角度の年齢的変化について
行徳 博英神山 五郎重原 岳雄
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1986 年 46 巻 5 号 p. 663-676

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抄録
耳介作成術時の耳介の傾きの基準を得る目的で, 5歳, 10歳, 15歳の日本人男女305名を対象として, 耳介長軸と鼻梁線とのなす角度の年齢的変化について調査を行った.測定に際しては, 被験者の頭部の左右のズレがないことを, ヘッドバンドにより確認の上で1m50cmの距離より頭部右側面写真を撮影した.写真のコピー上で, 耳輪前縁と耳珠前縁を結んだ線を耳介付着線とし, 測定の際の基準線とした.また耳介付着線に対して垂直線上にある耳介上縁点と耳介下縁点を結んだ線を耳介長軸とした.また左右内眼角を結んだ線と交差する鼻梁上の点を鼻根点とし, 鼻梁上の最高点を鼻尖点として, この二点を結んだ線を鼻梁線とした.次に各線を延長し, それぞれの交差した点での角度, すなわち, 耳介付着線と鼻梁線とのなす角度をX, 耳介付着線と耳介長軸とのなす角度をY, 耳介長軸と鼻梁線とのなす角度をZとし, X, Y, Zを分度器を用いて測定した.5歳, 10歳, 15歳の測定結果に加え, 著者等の同様の測定法による, 日本人青年男女の耳介長軸と鼻梁線は平行でないとした報告中の, 20歳男女の測定値, 男16°, 女14.6°を含めて検討した.Z角の測定値の平均値及び標準偏差値は次の如くであった.
男児―5歳16.0°±5.74 10歳15.8°±7.43
15歳18.4°±6.10 20歳16.0°±4.1
女児―5歳15.8°±6.43 10歳17.0°±5.02
15歳16.1°±6.37 20歳14.6°±6.1
以上から, 耳介長軸と鼻梁線は, 20歳男女の報告と同様に, 5歳, 10歳, 15歳に於ても平行ではなく, 耳介長軸は鼻梁線との平行線よりも前方に, 前述の角度に傾斜した位置にあるという結果になった.また, 5歳では男女間に差はなく, 女は10歳男15歳が最大値であり, 以後は男女ともに加齢とともに角度が減少することが認められた.
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