犬プルキンエ線維, 心室筋およびモルモット乳頭筋におよぼすジソピラミド (DPA) の陰性変力性作用について検討した.DPAは, 犬プルキンエ線維および心室筋において, 静止膜電位を変化させず, 濃度依存的にVmaxを減少させ, 活性電位持続時間 (APD90) を延長させた.DPAは又, モルモット乳頭筋の自動収縮および電気刺激誘発収縮を抑制した.2Hzおよび5Hzの連続電気刺激では約75秒まで徐々に収縮力は増加し, その後一定の収縮力を示したが, DPA (10-5M) は, 各頻度における収縮力を約25%抑制した.これらの結果はDPAが陰性変力性作用をもっていることを示しており, この作用はNa+-Ca2+交換機構のようなNa+に依存したCa2+動態と関係していることを示唆している.