昭和医学会雑誌
Online ISSN : 2185-0976
Print ISSN : 0037-4342
ISSN-L : 0037-4342
脳血管障害による四肢の血行動態の観察とプロスタグランディンE1の臨床応用
太田 秀樹鈴木 伸明田崎 修平小沢 進舩冨 等八田 善夫北村 公博
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 48 巻 4 号 p. 531-535

詳細
抄録

脳卒中後遺症患者3例に対し, prostaglandin E1 (PGE1) の有用性を検討した。PGE1は20μgを朝, 夕2回10日間連日点滴静注し, 投与前後における血行動態の変化を, plethysmography, thermography, RI angiographyにより判定した.PGE1投与前に患側の血行障害が認められた2症例は投与後改善し, 残り1例は投与前, 著明な血行障害を認めず, 患側の冷感, しびれ感を訴えていたが, 投与後, これらの知覚異常は軽減した.自覚症状改善の機序は不明であるが, 脳卒中後遺症患者における四肢血行障害, 自覚症状改善に対するPGE1の有用性が示唆され, 今後その適応, 投与量, 投与期間につき詳細な検討が必要と考えられた.

著者関連情報
© 昭和医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top