昭和医学会雑誌
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クリティカルバンドノイズ負荷時の自記オージオグラムの変化
金子 達岡本 途也
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1989 年 49 巻 2 号 p. 179-186

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抄録
正常耳の狭帯域雑音負荷時の自記オージオグラムについては多くの報告があり, 追試もされている。われわれは難聴耳を対象に狭帯域雑音を負荷して自記オージオグラムを測定し, 得られたノイズオージオグラムを正常耳のノイズオージオグラムと比較した.正常耳のノイズオージオグラムは負荷した狭帯域雑音の周波数特性に類似した中心周波数をピークとし, やや高周波数帯域へと偏る谷型を示す.感音難聴耳のノイズオージオグラムはいくつか異なった型を示すものが多い.1) 中心周波数を底とする谷の開大.2) その底を示す周波数と中心周波数とのずれ.3) 負荷周波数帯域以外の域値の上昇.の3型に大別される.この異常型は感音難聴の障害部位や聴力像に関係し, 聴覚異常症状を訴えるものに多いことがわかった.
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