昭和医学会雑誌
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下大静脈後尿管の1例とわが国における本症例の臨床的考察
矢島 愛治大田 桂一深貝 隆志鳥居 毅小川 肇
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1989 年 49 巻 6 号 p. 587-591

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抄録

55歳の男性で, 肉眼的血尿を伴う右下腹部痛を主訴に, 1987年9, 月5日, 近医を受診.X線検査にて, 右尿管結石と診断され, 自然排石があった.しかし, その後の点滴静注腎盂造影で右水腎症が残存していたため, 同年10月7日, 精査目的で当科入院.下大静脈造影と経皮的腎盂造影を併用し下大静脈後尿管と診断した.尿管端々吻合術, および尿管内ステントカテーテル挿入を行った.1年8カ月後の経静脈性腎盂造影では, 尿管狭窄, 結石等の所見はなく, 腎杯, 尿管の拡張も認められなかった.本症例を報告するとともに, 本邦における本疾患284例について考察した.

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