昭和医学会雑誌
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AFP産生胃癌の一例
呉 順美竹内 治男梅田 知幸青木 明水野 幸一宮下 卓夫八田 善夫副島 和彦
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キーワード: 胃癌
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1989 年 49 巻 6 号 p. 592-596

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抄録

血中AFPが異常高値を示した胃癌症例を経験したので, 臨床病理学的検討を加え報告した.本症例におけるAFPは, 免疫組織学的検査で胃原発巣およびその転移巣の癌細胞内に証明され, 肝をはじめとする他の健常組織には認められなかった.また剖検組織を用い組織内含有量を検討すると, 癌組織は健常組織に比し明らかに高値を示した.さらにAFPのレクチン親和性を免疫電気泳動法を用い分析すると, 肝細胞癌のパターンとは異なり, 転移性肝癌のパターンを示した.以上より本症例におけるAFPは, 胃原発巣およびその転移巣の癌細胞に由来するものであり, 本症例はいわゆるAFP産生胃癌の一例と考えられた.

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