昭和医学会雑誌
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自律神経作働薬の調節力と眼圧に及ぼす影響
飯塚 隆森脇 康栄植田 俊彦小出 良平稲富 誠深道 義尚小口 勝司小林 真一安原 一
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1990 年 50 巻 2 号 p. 171-175

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抄録

医学部薬理学実習において, 自律神経作働薬のヒトでの薬理作用を学習, 理解させることを目的として, 種々の薬物を点眼, 内服投与し, 眼圧, 調節力などを測定した.点眼では, 一側に1回点眼し, 対側は無処置とした.その結果, 特にepinephrine, dipivalyl epinephrine, timololでは点眼側のみならず対側の非点眼側にも眼圧降下を認めた.この結果より, これら自律神経作働薬には局所作用以外の作用機点がある可能性が考えられた.調節力は, アコモドポリレコーダー, およびアコモドメーターAA2000を用いて測定した.さらに散瞳の影響を検討するためピンホールを加え測定もした.その結果, pilocarpineにおいては調節力にはほとんど影響を認めなかった.また, tropicamideでは両者の測定値に約3Dの差が認められた.この差が生じた事は, 調節力の測定において自覚的な基準と他覚的な屈折力との間の差に関係あると思われる.ピンホールを加えた測定の結果では, ピンホールを加えなかった時に比べ約1Dの調節力の増加を認めた.

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