昭和医学会雑誌
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急性白血病・非Hodgkinリンパ腫における寛解維持療法としてのOK-432投与の効果
赤塚 祝子
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1990 年 50 巻 3 号 p. 331-339

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抄録
急性白血病8例・非Hodgkinリンパ腫11例に, 寛解導入後の維持療法として, OK-432, 5KEを隔週投与し, 対照群と比較した.生存曲線では差が得られなかったが, 4年後の寛解維持例は, 急性白血病の投与群では50%であるのに対し, 対照群では16%, 非Hodgkinリンパ腫の投与群では54.5%であるのに対し, 対照群では33.7%の有意の差が得られた.特にANLLではこの傾向が強く, 4年後の寛解維持例は, 投与群で66.7%と良好であったのに対し, 対照群では20.4%にすぎなかった.免疫学的パラメーターとして, PPD・Su-Ps反応・リンパ球実数・IgGの推移を3~6カ月毎に調べたところ, 寛解を維持している10例では, 1年以内に反応や数値が増加した.しかし, 抗ATLA抗体陽性の白血病患者では, PPDの陰性化, リンパ球数の絶対的減少が続いている.
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