昭和医学会雑誌
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虫垂炎症状で発見された盲腸癌の検討
楠本 盛一岡 壽士小嶋 信博鈴木 快輔
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キーワード: 盲腸癌, 虫垂炎, 診断
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1991 年 51 巻 1 号 p. 107-111

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抄録

症例は75歳, 右下腹部痛を主訴とする男性.約10日前より主訴が出現し, 近医を受診したところ急性虫垂炎の診断を受け, 当科に紹介され入院となった.入院時右下腹部に圧痛を認め, 白血球数は, 21, 200/mm3であった.入院後, 保存的加療により, 症状は消退した.注腸検査で盲腸の隆起性病変を発見し, 内視鏡検査で, focal cancerが発見された.症例2右下腹部痛を主訴とする79歳の男性.約3日前より主訴が出現し, 発熱もあり, 近医にて急性虫垂炎と診断され, 当院内科より外科転科となる.虫垂切除後, 病理組織検査で高分化腺癌の診断を得た.術後26日目に, 右半結腸切除術を施行した.以上2症例を提示して, 盲腸癌と虫垂炎の関係について, 文献的考察を行なった.

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