昭和医学会雑誌
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四塩化炭素誘発慢性肝障害ラットにおけるリポ蛋白の変化
中山 貞男, 由良 明彦, 今坂 俊介, 栗島 秀行, 真柳 誠, 真鍋 亜美, 小口 勝司
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1991 年 51 巻 2 号 p. 172-178

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抄録
我々は四塩化炭素 (CCl4) 投与で誘発した慢性肝障害ラットの血清リポ蛋白と肝病理学的所見の変化を検索した.6週齢, 体重150~170gのSD系雄性ラットを用いた.CCl4はオリーブ油に溶解し, 投与容量が2ml/kgとなるように調整した.慢性肝障害はラットにCCl40.5ml/kgを週2回, 10週間経口投与して作製した.ラットはCCl4投与5週後 (5W-CCl4) と10週後 (10W-CCl4) に殺し, 血清と肝を採取した.血清リポ蛋白の組成において, 5W-CCl4は高密度リポ蛋白亜分画 (HDL1, HDL2, HDL3) と低密度リポ蛋白 (LDL) の増加を示した.10W-CCl4ではHDL1, LDLの増加と超低密度リポ蛋白 (VLDL) の減少を示した.CCl4はHDLとLDL分画の脂質を増加し, HDLの総蛋白 (TP) を減少させた.さらに, VLDLの脂質とTPの減少が10W.CCl4でみられた.5W-CCl4は肝の総コレステロール, トリグリセライドを増加し, リン脂質 (PL) を減少させた.肝PLの減少は10W-CCl4でも認められた.肝の病理学的検討において, CCl4は結合組織増殖を起こし, それによる隔壁と偽小葉形成を認めた.5W-CCl4では肝偽小葉内に脂肪沈着を認めた.10W-CCl4では偽小葉内肝細胞の細胞質と核の消失, 空胞化, 壊死を起こしたが脂肪沈着はみられなかった.これらの結果から, 5W-CCl4によるHDLとLDLの増加は肝のリポ蛋白代謝機能障害のためであり, 10W-CCl4によるVLDL減少, HDL1とLDL増加は肝のリポ蛋白代謝のみならずリポ蛋白形成機能も障害されたためであることが示唆された.
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