日本家政学会誌
Online ISSN : 1882-0352
Print ISSN : 0913-5227
ISSN-L : 0913-5227
資料
食塩と市販調味料により調製した米飯やにぎり飯における黄色ブドウ球菌の増殖及びエンテロトキシンA産生抑制
筒浦 さとみ, 村田 容常
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 73 巻 5 号 p. 262-270

詳細
抄録

 本研究ではにぎり飯保存時の菌の増殖抑制の観点から, 米飯での黄色ブドウ球菌の増殖及びエンテロトキシンA (SEA) 産生に対する食塩の影響を調べるとともに, 食塩と市販調味料を組み合わせ, 黄色ブドウ球菌の抑制に効果的な組み合わせを調べた. 米飯における黄色ブドウ球菌の毒素産生を抑制するには少なくとも3~7%の食塩を必要とした. 1.5%食塩添加飯に市販調味料・具材 (約80種) を組み合わせて保存した際に, 食塩のみの米飯に比べて菌数の低減が認められたものは15種類であった. 米酢, バルサミコ酢, マスタード, ローズヒップティーを食塩添加飯に加え, 37℃で保存した際には, いずれの市販調味料でも保存直後から12時間頃までは菌は生存し, 12~24時間以降から徐々に菌数が減少した. 特に, バルサミコ酢とローズヒップティーでは6日間保存してもSEAは検出限界以下であった. 最後に, これらの調味料で調製した飯を用いて, 創作にぎり飯及び和菓子を作製して官能評価を行い, にぎり飯として食べられる程度のおいしさであったことを確認した. 米飯への食塩添加のみでは黄色ブドウ球菌抑制にはほとんど効果がなかったが, 食べられる程度の実用的な濃度の食塩と市販調味料を組み合わせることにより, 菌の増殖とSEA産生の抑制が可能となった.

著者関連情報
© 2022 一般社団法人 日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top