昭和医学会雑誌
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血清膵エラスターゼI測定と動脈硬化―特にその増悪因子との関連について―
野崎 保雄歌橋 和哉川田 泰司中野 幾太舩冨 等八田 善夫
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1992 年 52 巻 2 号 p. 158-163

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抄録
動脈硬化症とエラスターゼの関係は古くより論じられているが定説はない.また, 臨床的に全身の動脈硬化性変化を的確に把握することは困難であり, 今回は血中膵エラスターゼIを中心に膵酵素と血中脂質, 動脈硬化指数との関係を検討した.膵型アミラーゼ, リパーゼはHDL-コレステロールと軽度の負の相関を示すのみであったが, エラスターゼIのみ動脈硬化指数と正の相関を示した.いずれの膵酵素も動脈硬化指数高値 (3以上) 群, 高齢者 (65歳以上) 群で高い傾向を認めた.また, エラスターゼIについては各年代別にも検討したが, 40歳以上では加齢とともに上昇した.以上より, 動脈硬化が強いと推定される例では膵酵素が高くなり, 特にエラスターゼIが最も鋭敏に反映されると考えられた.したがって, これらの症例では正常値の設定や得られた値の解釈において注意を要すると考えられた.
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