昭和医学会雑誌
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マウスにおける遅延型過敏反応の脱感作; インターロイキン2依存性抑制回路について
桂 隆志小林 和夫穂坂 路男杉原 佐知子笠原 慶太高橋 昭三
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キーワード: IL-2, 遅延型過敏反応, 脱感作
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1993 年 53 巻 2 号 p. 123-129

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抄録
免疫した動物に大量の抗原を投与すると, 一過性の細胞性免疫反応の低下が出現する.この現象は脱感作として知られている.本稿では現在不明である脱感作機序について解析を進めた.大量の抗原を投与された免疫マウスでは, 投与3時間後に, 一過性の血清インターロイキン2 (IL-2) 活性がみとめられた.脱感作されたマウスは, 大量抗原投与後1日に抗原非特異的遅延型皮膚反応の抑制を示し, 脱感作抗原特異的抑制は3日後に出現した.脱感作後3時間の内因性IL-2活性を含むマウス血清により, 免疫マウスの遅延型過敏反応の抑制は移入できた.免疫マウスにリコンビナントIL-2を投与すると, 遅延型過敏反応が抗原非特異的に抑制された.以上よりIL-2が遅延型過敏反応の抑制環境に重要な役割を演じていることが判明した.
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