昭和医学会雑誌
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麻酔導入直後に神経原性肺水腫が疑われた症例
毛利 祐三小堀 正雄橋本 誠島田 千里細山田 明義
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キーワード: 神経原性肺水腫, 麻酔
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1993 年 53 巻 3 号 p. 326-329

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抄録

症例は22歳, 女性, 突然の意識障害を主訴に本院脳神経外科に緊急入院した.後下小脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血と診断され, 緊急手術が予定された, 術前検査では低酸血症が認められた.麻酔導入直後より急激に肺水腫の所見を呈し, 循環動態も不安定となった, 臨床経過より判断して神経原性肺水腫が考えられたため, 手術を中止してICUに搬送した.PEEPによる呼吸管理, ドパミンの持続投与をはじめ, ステロイド, 抗痙攣剤, バルビッール療法で脳圧などを管理した結果, 呼吸循環動態は安定し, 1週間後には再手術を施行できた.

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